この記事は、CriteoのCEOであるMegan Clarkenが執筆した記事を翻訳加筆したものです。「Why the Cookiepocalypse Is Not “Tomorrow’s Problem” and How Marketers Should Prepare Now 」 (14 July 2021)

Cookieの終了がもたらす不安は、銀行から宇宙旅行、原子力発電所管理に至るまで、あらゆるものを動かすデジタルシステムがコンピュータのプログラムミスで破壊されると誰もが考えたY2K問題（2000年問題）を思い起こさせます。 しかし、Y2Kと サードパーティ Cookie の廃止の大きな違いは、前者が最終的にほとんど影響を与えないのに対し、Cookieの廃止はオンラインのエコシステムの根幹を完全に破壊し、マーケターとメディアにとって真のY2Kとなることです。

特にデジタル広告の場合、この変化は広告業界全体に現実的かつ広範な影響を与えることになります。 Y2Kと違って、今準備をしないと大変なことになるのは分かっています。 マーケターにとっての影響は、パーソナライズされた体験の喪失、限られたターゲティング能力、効果のない最適化、消費者ジャーニーの可視性の低さ、断片的で不正確なパフォーマンス測定など多岐にわたります。 メディア側は、オーディエンスを理解する能力を失い、自分たちが提供する質の高い体験の実現に苦心し、収益が大幅に削減されます。

しかし、広告業界がこれらの影響に対処し、サードパーティ Cookie の利点をシームレスに置き換えることによって、真のY2K的惨事を回避することができれば、この変革においてより大きなプライバシーセキュリティの章が開かれることになるのです。 消費者とマーケターやメディアとの間の交換の同等性を確保するとともに、消費者により透明性を与え、データ選好のコントロールを可能にするものである。 つまり、エコシステムに参加するすべての人々が、システム全体を健全化し、インターネットの次の発展の波を迎え入れるチャンスなのです。

Googleが最近、 サードパーティ Cookie の廃止を2023年末まで延長したことは必要なことですが、これが「明日の問題」になるわけではありません。 今こそ、デジタル広告の新時代に向けて、しっかりとした基盤を準備と構築するチャンスなのです。

次の 2 年間に向け、私たちのビジョンは、すべての消費者に豊かな 体験を提供することです。 消費者がデータを共有する方法と相手をコントロールできるようにすること、その見返りとして質の高いコンテンツと柔軟な対応で消費者を満足させることが含まれます。 この精神に基づき、マーケターは、Cookie の最後のカウントダウンでY2Kのようなパニックを再び起こさないために、今から準備できる3つの方法を紹介します。

1. ファーストパーティデータ戦略の構築と サードパーティ Cookie への依存度の低減

「ファーストパーティデータ」とは、マーケターやメディアが消費者から直接受け取ることができる情報のことです。 これらの消費者は、データを共有することを選択し、その代わりに、パーソナライズされた広告、製品推奨、ウェブサイト体験、メッセージングを通じて、消費者にアプローチすることができます。

ファーストパーティデータは常に重要でしたが、サードパーティの Cookie がなくなると、オンラインで消費者にアプローチし、見つけるための他の方法が必要になるため、マーケターが人々のビジネスジャーニーを理解するためにさらに重要になります。 メディア側は、継続的な収益性とサイトでの優れたユーザー体験を確保するために、ファーストパーティデータを必要とします。

Criteoは、プログラマティック広告の新時代に対応するため、「First-Party Media Network」を立ち上げ、先日2021年Digiday Media Awardsでベストファーストパーティストラテジー賞を受賞しました。First-Party Media Networkは 広告需要と供給の間の深く直接的な統合を基盤とし、圧倒的なビジネスデータと高度な人工知能を駆使し、オーディエンス戦略全体を活性化させ、測定可能なビジネス成果を生み出します。

2. サードパーティ Cookie の代替案？ 企業は今後のID識別の変化に先手を打つべき

ファーストパーティデータの蓄積は重要ですが、「First-Party Media Network」に通じて、ファーストパーティデータを充実させることができます。将来のID更新のために切断されたIDタグの再接続を可能にし、ファーストパーティデータの価値を最大化させます。 ファーストパーティの匿名ID、ハッシュ化された電子メール、暗号化された電話番号、郵便番号、世帯ID、それとRampID、netID、UID 2.0などのサードパーティデータマッチから渡されたものも含まれます。

また、シングルサインオン（SSO）ソリューション（例えば：OpenPass）をテストすることで、ID基盤を構築することができます。このソリューションでは、消費者が自分のデータをマーケターやメディアと共有することを選択（または解除）することができます。 OpenPassは、ログイン状態にかかわらず消費者にリーチするために使用されます。オープンソースのソリューションを使って開発され、prebid.orgを通じて業界全体で利用することができます。 パーソナライズの好みが低いことを選択した非ログイン状態の消費者に対しても、有料情報やメルマガを強制的に送るのではなく、優れた広告やキャンペーンオファー、コンテンツを表示することで、より豊かな体験を実現することを目的としているのです。

3. オムニチャネルマーケティングソリューションの活用により、新たなオーディエンスを迅速に構築

広告の目標を達成し、新しいオーディエンスにリーチするために、 サードパーティー の Cookie が廃止される前、代替のIDやオーディエンス設定をテストすることが重要です。 サードパーティ Cookie がまだ使用されている今、マーケターやメディアは、ポストCookieの未来がどのようなものかを見るユニークな機会を得られています。

そのためには、1対1のアドレス指定可能なターゲットに、グループ、テキスト素材などを使って、Cookieに関連しないソリューションをテストすることができます。 また、Criteo Omnichannelソリューションと類似なモデリングを用いて、顧客属性や店舗での購買データを共有し、ポテンシャル高い潜在顧客に対するマーケティングキャンペーンを最適化することが可能です。 これらの予備変更を今すぐインポートし、新しいマーケティングソリューションをテストすることで、より多くを学び、それに応じて戦略を立てることができるようになります。

サードパーティ Cookie 独立に向けた次のステップ

マーケターやメディアにとって、強力なファーストパーティデータ戦略の構築は最重要課題であるため、First-Party Media Networkへのファーストパーティデータ配信を開始したり、データをもとにテキスト素材やピアグループ、オムニチャネルマーケティングキャンペーンを利用して新規ユーザーを開拓することができます。これにより、 サードパーティ の Cookie が消える前に、ファーストパーティのオーディエンスを拡大することができます。

Y2Kレベルのパニックが正当化されるのは間違いありませんが、将来にわたってビジネスを勝ち抜き、消費者を満足させるために、プライバシーに配慮した安全な方法でコンテンツの関連性を高めることは、今から適応して競争力を高めるチャンスでもあります。

Criteo の広告商品とソリューションの紹介をご希望の方は、WAVENETまでご連絡ください。ポスト Cookie の時代、共に成長し、繁栄していきましょう!

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